先日FT8でドイツと交信できました。

 さて、前回の「FT8で交信(2) ~音声とPTTをつなぐ~ 古いRIGでもFT8に!」と 「FT8で交信(2)の2 ~ 古いRIGでもFT8に!」 では、リグとWSJT-X間で音声とPTTをつなげました。

 前回記事の接続でFT8で交信はできたものの、周波数を変更するときにはWSJT-Xとリグとそれぞれ操作しなければならず、若干の手間がかかります。

 VFOがバンド設定を記憶しているので、あまり苦にはならないといえばならないのですが、できれば、何とか簡略化したい・・・。

 ログの記録も周波数をミスするかもしれません。

 そこで、古い無線機でも付いている「CAT」や「CI-V」通信を使って、周波数を同期させようと思いました。

 まず今回はYAESU社の「CAT」でつないでみます。

 PC側はUSBポートにUSBシリアル変換機を接続します。 今回は秋月電子の「CH340E USBシリアル変換モジュール」(480円・税込)を使いました。このモジュールも5Vで信号を送受しますので便利です。しかも安い。

 いろいろ役立ちそうなモジュールです。

 上の写真の通りにハンダ付けしたら、ばっちり動作しました。配線は以下の「接続」のとおりです。

 

接続

 1)「CH340E USBシリアル変換モジュール」の右側はUSBのTYPE-Cです。PCと接続します。

 2)左側に、CATの「SERIAL IN/OUT」と「GND」を接続します。

  写真では、配線は3本。上から RIGの「SERIAL OUT」(白)、次に「SERIAL IN」(赤)、3本目(シールド線)をグランドと結線します。

  ※RIG側のCATコネクタは機種によって違うので、ピン配置含めて取扱説明書を確認してください。WEBで公開されている場合も多いと思います。

  ※追記 CH340EのTXDの無信号時に、リグへ5Vが印加されないようにショットキーバリアダイオードを追加しました。

 3)PCと接続したら、「CH340E」のドライバーをインストール。秋月電子の「CH340E USBシリアル変換モジュール」のページ下部にある「よくある質問」のリンクからドライバーがダウンロード可能です。

設定

 1)Windowsの場合、PCのコントロールパネルの中の「デバイスドライバー」の項目をみて、CH340のCOM番号を確認しておきます(注)。

 2)WSJT-Xの設定メニューを開き、無線機のタブで①無線機の名称、②COMポート、③通信レート、④PTTの設定を「CAT」に設定します。

 3)設定したら、「CAT テスト」をクリックしてボタンが緑色になれば設定成功です。

(注) コントロールパネルがわかりづらいときは、別のやり方もあります。①エクスプローラーを開き、②(多くの場合)左ウィンドウにある「PC」(またはPC名)の文字列の上でマウスを右クリック③「プロパティー」を選び左クリック。これでオープンした画面に「デバイスドライバー」という項目が出てくると思います。

…身近な詳しい方にやってもらうと言う裏技もありです。


 CAT接続できたら、FT8の運用がかなり楽になりました。

 WSJT-Xで周波数を変えれば、リグが追従してきます。なかなか良いです。

 USBケーブルだけでリグとPCがつながる最新機種では当たり前の機能だと思うのですが、古い無線機でもいい味が出ています。

 私は、古い無線機をプレゼントしていただいたものが多いので、古いものを快適に使う工夫も、少し楽しい作業になっています。私がやってみている限り、古い無線機でも快適にFT8が運用できます。


FT8で交信(4) WSJTーX で リグをCI-Vコントロール

By Aki