週末に、KENWOODのTM-255でFT8を運用してみました。
いただきもののTM-255、いまのところ送受信も問題ありません。送信機登録も、デジタルモード付加装置の申請も済んでいます。
PCからのPTT制御のインターフェイスを作ればFT8の運用もできそうなので、インターフェイスを作ってFT8を運用しました。
PTTとマイク入力はマイクコネクタから行い、受信音声は背面のスピーカー端子から出力します。
上の写真は、TM-255のコントロールパネルを外して、マイクを抜くところです。
TM-255のマイク端子には、CAT-5のLANケーブルがジャストフィットします。100円のLANケーブルを加工します。
TM-255は、マイクのGNDとPTTのGNDは独立しています。なので、PTT、PTT-GND、MIC、MIC-GNDの4本の信号線を使います。ピン配置と各線の対応は、コネクタが透明なので目で見て色でもわかりました。念のためテスターで抵抗値を測定して答え合わせもしましたが、ばっちり当たってました。透明コネクタは改造するときはいいかもです。
上の写真は、マイク端子から引き出す4本の信号線です。
インターフェイス
つぎは、インターフェイスです。
WSJT-XもJTDXも、ともに、PTTは「RTS」信号に対応しています。今回は「RTS」で制御します。
WSJT-Xが送信になるとき、「RTS」がグランドレベルになるので、2SA1015で制御します。
RTSがグランドレベルになると、2SA1015のBASEが電流を吸い込んで、フォト・トランジスタをONします。そして、フォト・トランジスタにつながったPTTがショートするという仕組みです。
上の写真が、PTTのインターフェイスです。
ASUSのPCにつながった「DTECH USB TTL シリアル 変換 ケーブル 5V」からブレットボードに信号をつないでいます。
赤色が「+5V」、オレンジが「RTS」信号、青が「GND」です。
TM-255からのフラットLANケーブルから分岐したグリーンとピンクの線がPTTとPTT-GND、ブルーとピンクの線がマイクGNDとマイク入力です。
「DTECH USB TTL シリアル 変換 ケーブル 5V」があれば、たいがいのマシンはFT8にオンエアできそうですね。
WSJT-Xの「設定」
WSJT-X(JTDXでも同様)の設定画面では、次の個所を設定します。
1)「一般」タブでコールサインとG・Lを入力します。
2)「無線機」タブで無線機を「None」、PTT方式を「RTS」に設定し、「DTECH USB TTL シリアル 変換 ケーブル 5V」のCOMポート番号(※)を指定します。
3)「オーディオ」タブで、お使いのサウンドカードやマイクを指定します。
以上で、動くはずです。
※Windowsなら「デバイスマネージャー」の画面で、COMポート番号を確認できます。
回路
回路は、次の図の通りです。
トランスは、「オーディオトランス 600:600オーム」です 。安くて優秀です。損失も運用上、問題ないです。無線機とPCを直流的に絶縁できるので、高価なPCと送信機をつなぐときは、私はトランスか光ケーブルを使っています。PTT側でフォトトランジスタを使っているのも同じ理由です。
※IC-7300とIC-705のときは、USBケーブル直結です。
接続の全体像
接続の全体像は、次の通りです。
音声の入出力、PTT制御があるので、ケーブルは多いですね。
日頃利用しているIC-7300やIC-705などはケーブル一本。でも、TM-255のように古い機械を工夫するのも面白いです。せっかくいただいたので、いろいろと活かします。
運用してみました! 普通に交信できます!
上の写真は、TM-255のFT8の運用の様子です。
普通に交信できました。
TM-255。時を経ても、まだまだ使える良いマシンです。大切にします。
そういえば、144MHz帯モノバンドのオールモード機としてジャンルを区切ると、日本メーカーではTM-255より後にリリースされた機種ってあるのでしょうか・・・。
最近の機種はマルチバンド化されてますものね。
<お知らせ>
「HAMworld 2023年7月号」(←クリックできます)にも寄稿しています。この記事とは内容は別物です。
よろしかったら読んでいただけると幸いです。